
採用において選考希望者を正しく判断するために面接は最も重要です。
しかし、どれほど注意をしても面接官による第一印象によって面接結果が決定されてしまうことは多くあります。
この事実を如実に表すある実験があります。
スタンフォード大学のクレイマン・ジェンダー研究所があるオーケストラ楽団を対象に
入団希望者の審査を演奏する姿が見えない形式で行うという実験を行いました。
するとそれまでオーケストラの楽団における女性団員の割合が、5%から平均25%にまで女性団員の割合が増加したのです。
このように第一印象によって合否が決定されてしまうというのは避けがたいことであるのです。
が、これに対して選考希望者が自社に合う能力やスキルを持っているか客観的に判断することができる「コンピテンシー面接」が注目を集めています。
早速ご紹介してまいります。
コンピテンシー面接とは
「コンピテンシー」とは高い成績を残す者に共通して見られる行動特性のことです。
特性の中で何が高い業務成績を残すことに貢献しているかを明らかにするものです。
実際に自社で高い成績を残している社員が行っている行動や考え方を基準に「コンピテンシーモデル」を作成し、照合を行うことで面接官の第一印象に左右されることなく、入社後に活躍することができる人材であるかどうか正しく判断できます。
次にコンピテンシー面接のメリットをご紹介します。
コンピテンシー面接のメリット
1.入社後の適性を正しく判断できる
コンピテンシー面接の最大のメリットは、選考希望者の入社後の適性を正しく判断できます。
これまでの面接では「誠実である」「行動力がある」といった人柄を重視する傾向にありました。
もちろんそれも重要ですが、企業にとって最も重要なのは入社後に活躍してくれるかどうかです。
その点コンピテンシー面接は選考希望者が持つ特性が入社後に役立つものであるかどうか正しく判断することができます。
2.信ぴょう性の高い情報が得られる
コンピテンシー面接は相手の行動に着目し、高い業績者と一致する部分が多いかどうかを判断する面接手法です。
そのため、面接内では相手がこれまでに行った行動を深く掘り下げることが多いです。
よって選考対象者からすると表面的な回答を続けるのが難しく、本質的な情報を得られることが可能となります。
同時に人柄や価値観も正しく把握できるのもコンピテンシー面接のメリットと言えますね。
最後にデメリットに関してもご紹介します。
コンピテンシー面接のデメリット
1.コンピテンシーモデルの作成に時間がかかる
コンピテンシー面接の最大のデメリットはコンピテンシーモデルの作成に時間がかかることです。
業種内容によっても高い業績を残す社員の行動特性は異なるため、複数のコンピテンシーモデルを作成する必要があります。
また万が一社内にモデルとできるような人材がいない場合、非常に時間がかかるのもデメリットとしてあげられます。
以上、選考対象者の行動特性を正しく把握できる「コンピテンシー面接」に関してご紹介いたしました。
入社後に活躍できる人材を採用することは早期離職を防ぐことができ、採用コストの削減や利益の最大化に繋がります。
ぜひご参考くださいね。